2012年8月18日土曜日

マラッカ海峡縦断②-2 祝!30番目の国境通過

2012年8月18日(土) LCCT→マラッカ→ドゥマイ(インドネシア)

【第2部】
 船内はすえた汗臭いにおいが漂い、椅子は相当年季が入っています。アジア的にはまともですがこの値段には釣り合いません。とりあえず席を確保し安心すると急に睡魔に襲われ爆睡です。どれほど眠ったでしょか、気がつくとすえた汗臭さと機械油の臭いが充満しています。耐え切れず船の屋上へ思わず退避します。そこはほどほどのスペースで雑然と荷物が転がっていますが、マラッカ海峡を吹く風が気持ちよくなかなかの気分です。大きなタンカーなども居てさすが交通の要衝です。おもわず中学校で習った地図が頭をよぎります。海賊なんか出ないだろうな、と思いながら辺りを見回します(今時いるわけはないでしょうが)。空は曇っていて熱くはなく丁度よいくらいです。が、楽しみにしていたマラッカの夕日はお預けになりました(まあ、ビールも買ってくるのを忘れましたから)。

マラッカを出港!
マラッカ海峡のタンカー
マラッカの夕日。ビールはありません。。。

そうこうするうちに大きなコンビナート施設が見えてきて船が減速し始めました。どうやらドゥマイに到着のようです。船は6時半過ぎ(時差+1時間)に到着、約3時間の船旅でした。下船後、乗客と一緒にイミグレに向かいます。私の順番が来て、アライバル・ビザはどこで取るの?と聞くと、待ってろとの指示。あっという間に私を除く全員の入国審査完了です。皆迎えの車やバイタクにまたがりどんどん居なくなります。がらんとしたホールにぽつねん、と一人取り残され辺りがだんだん暗くなってきます。ドゥマイという街は地球の歩き方には載っておらず、ネットで調べるとかなり危険な街で気をつけたほうがよい、男は荒くれが多くまともなホテルなどなく、コンクリートの上に寝るような部屋だ、などと書かれていることを思い出しました。確かにネットで調べてもドゥマイのホテルなど出てきやしません。久しぶりにちょっと不安になってきました。


仕方ないので台の上に腰掛けていると、係官だかなんだかよくわからない男(田舎のイミグレにはこの手の輩が多い)が話しかけてきて、「どこから来たのか?」「職業は何か?」・・・、いろいろ質問してきます。そこに2人ばかり見るからに普通のオヤジが加わっての質問攻めです。果ては私のカバンを開けて持ち物検査の始まりです。一つ一つ摘み上げてこれは何だ、何だと。そして興味があるものが出てくると「これはいいね!」との評価を加えます。まあ、ねだられなかっただけ良しとしましょう。思ったより軽いノリの人たちだったので、こちらも情報を探ります。近くに良いホテルはあるのか?それは歩いていけるのか、など。すると、皆で喧々諤々の議論が始まり、あのホテルが良いだの、あれは高いだのいろいろ情報が出てきます。ところで後どれだけ待てばよいのか?と聞くと、30分くらいとのこと。何のことはない、ビザを発給できる係官が家に帰たので呼び戻しているとのこと。明日がイスラムの祝日のため運行時間が変更になったのですが、係官は勤務時間を過ぎたため帰ったらしいのです。あと30分かぁ、腹も減ったし(昼飯抜き)意気消沈です。すると15分もたたないうちに係官到着、全くの普段着オヤジです。その場で係官はビザシールに全て手書きで書き込んでサインして完成、やっとイミグレを通過しました。外は真っ暗になっていました。
まともなベッドの部屋。コンクリートではありません。
断食明けの飾り付け?それにしてはしょぼい。

 外はタクシーはおろかバイタクさえいません。さてどうしたものかと思っていると、1人のオヤジがホテルまで車で送ってくれるとのこと。ちょっとばかり心配でしたが、なんとなんと非常に親切で助かりました。このオヤジ、フェリー会社の従業員らしく、私が明朝バタム島までフェリーで行きたいことを聞いて自分の会社まで連れて行ってくれたのです(値段はリーズナブル、無料送迎付き)。ホテルはその2件隣り、その上ATMまで連れて行ってくれて一石三鳥でした。ホテルまではたぶ1.5km強くらいで歩けないことはないと思います。ただ、荷物背負っては厳しいですね。ホテルはちゃんとしたベッドがあり、ホットシャワーにエアコン完備、まずまずです。ただ、若干カビ臭いのは減点ポイントですね。荷物を置くとまずは街の散策と夕食です。通り(ジャラン)は広いですが車は多くありません。バイクは異常に多いです。ベトナムに近いと思ってもらえればよいかと。街並みははっきり言って特徴はありません。どこが中心地かもよくわかりません(地図もないので)。でも街は断食明けの飾りつけがしてあり、人で賑わっています。また、あちこちで市販の打ち上げ花火が上がります。歩いているといきなり中央分離帯から打ちあがるのでちょっと怖いです。まあそうこうして、適当な食堂に入ってみますが、メニューがわかりません。結局となりのテーブルの焼き鳥を指差しオーダー。ビールは勿論ないので(イスラムですから)、コーラを頼みます。本物のコーラかよくわかりませんが、東南アジアの食事には甘いコーラが良く合います。お腹も膨れたのでホテルに帰って爆睡です。

自転車で子供の乗り物を動かすオヤジ
Coca Colaです。もちろん冷えてません。
やっとまともな食事に。鳥の腿肉ですが美味しい。

 今日は本当に長い一日でした。

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