2012年5月4日金曜日

インドでヨガ 6日目

2012年5月4日(金)
【ガヤー[ブッダガヤー]→(コルカタ+1日)】
※お釈迦様が悟りを開いた菩提樹の下で瞑想した、の巻き

 目が覚めると列車は小さな駅に停車中でした。乗客もいくぶん少なくなっているようです。この列車は終着駅がガヤーなので最後まで乗っていれば良く、とても安心です。今日は2つめのハイライト、お釈迦様が大いなる覚りを得られた場所に行きます。その跡地にマハーボディーというお寺があります。お釈迦様は菩提樹の下で瞑想して覚りを得たとのことですが、その菩提樹の末裔が今もあるとのことです。私の幼稚園はお寺の中にあったためお釈迦様は偉い人という概念が刷り込まれています。今でも花祭りでお釈迦様に甘茶をかけたことが強烈な印象として残っています。
車窓の風景。これが延々と続く

 列車がガヤー駅に到着しました。夥しいインド人が我先に出口を目指します。その人波に流され一気に出口に押し出されます。”タクシー?”、”リキシャー?”いつものように客引きが我先に群がってきます。そんな連中は相手にせず乗合いリキシャを探します。駅前広場を横切り、細い道に出ると乗り合いリキシャがいました。それを確認すると、再び構内へ。そう、今日の夜の列車でコルカタへ行くので荷物を預けるのです。荷物預けはホームの一番端にありました(すっごく遠い)。
Left Luggageのカウンター
荷物を預け軽くなったところで乗り合いリキシャと交渉、とりあえず交渉成立し先客達に場所を空けてもらって乗り込みます。先客達は10分もしないうちに全員降りてしまい、ほとんどチャーター状態、どうりであまり安くならない訳です。30分も走ったでしょうか、いくつもの寺院らしい建物が見えて来て、ある建物の前でリキシャが止まりました。”マハーボディー?”と聞くと運転手は頷きました。よくわからないですが、取り敢えずお金を払ってバイバイです。地図を見るとどうもマハーボデイーではないようです(ま、こんなものです)。歩いていく方向を探していると、「コンニチハ!ナニヲサガシテイマスカ? ワタシハアヤシイモノデハアリマセン。」いきなり日本語パーンチです。もちろん見るからに怪しいインド人です。でも日本語はとっても流暢。たくさんの日本人がカモにされてきたのでしょう。ガイドは丁寧にお断りしたつもりでしたが、憮然として行ってしましました。マハーボデイーまでの3~4分の間に3人のインド人に日本語で声をかけられました。インド人からは私は日本人に見えるようです。
よくある風景  
これがマハーボディーだ!(横でゴメン)

参道の出店
これが入り口

マハーボデイーは思いのほか賑わっています。お寺の前の通りにはいくつもの出店(たくさんではない)と乞食たち。たくさんの黄色い△旗が空にはばたいています。入場料無料(カメラは20ルピー)、さすが仏教の聖地です。入り口で靴を預けて(もちろん無料)本堂へ向かいますが、何故か赤い絨毯がずうっと敷かれています。誰かお偉いさんでも来るのかと思いましたが、理由はすぐにわかりました。本堂へ続く石畳が熱くて歩けないのです。私も危なく大火傷を負うところでした。ピーカンの太陽が容赦なく大地に降り注いでいまます。後で聞いたら気温45度、まさに灼熱地獄です。2500年余り前、お釈迦様はこの灼熱の大地に生きていたのですね。
石畳が熱くて歩けない。火傷する!
質素すぎる本堂の中

 まずは本堂(ほとんど祠)の中で手を合わせます。タイかミャンマーかわかりませんが尼僧が熱心に拝んでいます。そしてぐるりと裏手に廻りお釈迦様が覚りを得た場所へ行きます。わくわくして行ったのですが、地味です。拝んだり瞑想しているのは3人ほど。ここは世界最高の仏教の聖地なのですが。。。あと十数人ほど所在無く石柱の柵に腰掛けてぼんやり休んでいます。最高の聖地という熱気も崇高さも全く感じられません。
覚りの菩提樹のまわりは、まあ こんなもんですね。

 まあ、仕方ないので私も石畳に正座してお釈迦様が覚りを得た場所に向かって手を合わせます。しかし、ここではたと困りました、何と言って拝めばよいのか? 本家本元のお釈迦様だから南無阿弥陀仏でも般若心経でもないでしょう。てなわけで無言で手を合わせました。
 拝み終わったらやることがありません。結局私も石柱の柵に腰掛けてぼんやり休んでしまいました。私もみんなの仲間入り、というところです。ぼぉー、と見ているといろいろなことがわかります。来訪者は異教徒であるインド人の団体がほとんどです。彼らにとっては世界遺産という観光地のひとつに過ぎないようです。たまに東南アジア系や中国人の仏教徒が参拝しています。そして東洋に興味をもっている西洋人。いずれにしても数はしれています。ほとんど片田舎の遺跡の様相です。
瞑想する尼僧

 仕方なく暑い中敷地を散策。すると奥のほうにテントが張ってあり、その前に平たいトレーニングマシンのようなものが置いてあります。何かと思い近づいていくと西洋人がトレーニングマシンを使って五体投地のまっ最中です。すると傍らの竹中直人そっくりの男が「お前もやっていけ!100回だ。」と言い放ちます。よっしゃ!と安請け合いし、トレーニングマシンでの五体投地のやり方を教わってチャレンジです。気温は45度、日陰とはいえ汗がほとばしります。途中で回数がわからなくなり適当なところでフィニッシュ!その旨申告すると、隣の木の実ナナ風のチベット女性がにっこりサムアップ。グッジョブ!といったところでしょうか。『仏教において最も丁寧な礼拝方法の一つ』(Wikipedia出展)とされる五体投地を100回も、それも最高の聖地で行ったのだからさぞかしご利益があることでしょう。
五体投地の修行に励むファラン
修行するチベタリアン男女(竹中直人そっくり)
遅めの昼食を取ると本当にやることがありません。菩提樹の下でぼんやりするしかありません。とそのとき、サァーと風が吹き、菩提樹の葉がひらひらと落ちてきました。するとぼんやりしていたタイ女が鋭い出足で菩提樹の葉をゲット。なるほど、ただぼんやりしていたのではないのです。聖地の、それも覚りを得た菩提樹の末裔の葉をおみやげにしていたのです。暫く見ていると結構葉は落ちてきます。私もそれから3時間の間に10枚もゲットしてしましました。案外簡単に拾えます。
昼食はじゃがいもと豆のカレー
聖なる菩提樹の葉っぱをゲット!
ここでもう一つの楽しみを発見しました。そう、この菩提樹の下で瞑想をしてみたらどうだろう、ということです。葬式だけの(パチ?)仏教徒が大胆にもお釈迦様が覚りを得た場所で同じことをしてみよう、ということです。実際、タイの尼僧はやってましたし(でも20分くらい)、誰も止める人はいません。灼熱地獄の昼下がり、人がまばらなのを良い事に菩提樹の下で瞑想してしまいしました。でも、煩悩だらけで覚りのかけらも得られませんでした。(絶対何人もの日本人がここで瞑想(の真似事)をやっていると思いますが。。。)
聖地で瞑想(真面目にやってます)
写真をとってくれた気さくなフランス人青年
さて、夕方になり印度山日本寺で夕方の瞑想・座禅の時間が近づいてきました。朝から一日マッタリできたことに感謝してマハーボディーを後にしました。目指すは印度山日本寺!
 本堂には誰もいません。仕方なく外の縁側で待っていると物凄い雷鳴とともに豪雨。まさにバケツをひっくり返したような雨と突風。ブッダガヤの厳しい自然環境を目の当たりに体験できた一日となりました。夕方5時前に係りの人から中の畳のところに入るように指示がありました。結局この日は私1人。広い本堂にぽつねんと佇みます。5時きっかりに若い僧侶の読経が始まり、続くこと20分。そして何故か声を小さくして読経をさらに15分。その後静寂に包まれ、瞑想の時間となりました。突然突風が本堂の中に吹き荒れ、ガッターン、と大きな音。そう、大きな柱時計が風に煽られ落ちたようです。瞑想の時間にもかかわらず、僧侶は柱時計を架け直しています。まあ、ギャラリー1人ですから。。。
純日本風の立派な建物です、ハイ。
昼寝はするな!だって。お寺なのに料簡狭いくない?
すごい雷と豪雨。半端じゃないです。
6時に瞑想が終わると雨は上がっていました。明日コルカタにたどり着けばインドともお別れです。本堂の縁側から明るくなってきた空を見上げて、今回の旅ももう終わりだな、と呟いていました。

0 件のコメント:

コメントを投稿